擬革紙
擬革紙(ギカクシ)とは、一般に1684年に製造が始まったとされている、革に似せた紙のことです。しかし、私たちの擬革紙は、革に似せた紙ではなく、ただ純粋に「カッコいい和紙を作りたい」想いから生み出した和紙のことです。

楮(コウゾ)100%の和紙に、職人さんの色んな技術を結集させ、水に濡れても色落ちもしない、破れない、縫製もできる、革よりも強靱で耐久性がある、などの常識を超えた特性を持たせています。紙としてはもちろんですが、布や革と同じようにファッションやインテリアで使える素材として提案するため、2014年から開発に取り組んできました。

和紙×漆×柿渋が生み出す味わい。漆の表面は硬く傷が付きません。すぐに傷が付く革より遥かに高い強度です。


和紙×銀箔×藍染めが生み出す表情。
私たちの擬革紙の一番の特徴は、その景色です。 自然の美しさに勝るものはないとの考えから、技術を前面に出すのではなく、無作為に手を動かし作業に没頭した結果、生まれる自然な景色を大切にしています。

漆染めの作業。


和紙に箔を貼る作業。


100%藍染めしています。特殊コーティングにより色落ちもしません。
全工程が人の手によるものです。色合いや調子は、四季や気候により違うので、職人さんたちの感覚と経験、そして技術が活きています。
完成した時が一番いい状態の工業製品ではなく、完成してから使い手と一緒に年月を経る毎にますますいい色や雰囲気を醸し出します。
こうしてできた擬革紙たちには皆個性があり、生きています。それが自然素材のみが持つ特性だと思います。