和紙のバーネックレス

こんにちは。

今日は、前回のブログの続きで、和紙アクセサリーのバーネックレスのことを書きます。

黒×赤とパール×黒の2色で、ネックレスのみの展開となります。デザインは、丸い和紙玉に少しエッジの効いた和紙のバーが目を引きます。

少し個性的かもしれませんが、シンプルな装いのアクセントや、全身柄物コーデにさりげないポイントとして、そしてドレスアップシーンまで合わせていただけるユニセックスなネックレスです。

そうそう、クルクル回して着けてもおもしろいとも言われます。僕は、そういうのがとてもうれしいなと思っています。身に着ける人の感性で、より楽しさが増幅され、自由さを身に纏う…作り手としてはこの上なくうれしいことです。

 

自由っていいですよね、、。

まだまだ色んなしがらみに翻弄されがちな僕は、練習してるけど、まだ自由の初段かな。

一人一人考え方や価値観が違って当然で、ある一定レベルの道徳があればお互いを尊重し合うだけで、社会は形成できると思うんですけどね。他人の目や利益、損得勘定ばかり考えると、息苦しさが充満するだけではないのかなと思ってしまいます。

さて、今日のブログでお話ししようと思っていることは、商品の背景に関してです。

接客中、大切な時間をたくさん割いてくださる方があまりに多く、話が弾み僕が商品の背景にあるストーリーや自分が考えていることを話すと、よく「そう言う話が聞きたい!」とか、「それ、みんなに知らせるべきよ!」とか言われます。

 

そんなものなのかと思いながら、話すことと記すことは全く違うので、ずーっと等閑にしていましたが、ブログ更新のネタも特にないので、今回書いてみようと思いました。

 

このバーネックレスの背景にあるストーリーというかテーマというかコンセプトがあります。それは「矛盾?」です。

どういうことかと言うと、和紙玉は変わらず和紙玉なのですが、バー部分は少々挑戦した結果生まれたものです。

バー部分のベースは、なんと和紙の原料である楮の木芯です。

この木芯は、和紙にはならない部分で、紙漉き工程の釜を焚く時に使われます。

 

昨今、やれサステナブルだとかエシカルだとか騒いでますが、手漉き和紙は大昔から当たり前のようにサステナブルでしたし、地球にも人にもやさしい天然素材なのです。

手漉き和紙が時代の先端を行っているのではなく、元々あったのです。なので、騒いでいる人たちを見て、僕は何を今更騒いでんねんと思っています。そして、昔の人々の暮らしに対する知恵に敬服しています。

ちなみに手漉き和紙と機械漉きの大量生産の和紙は、全く違う別物です。後者の和紙は、ほとんどがパルプでできている資本主義社会が生み出したサステナブルでも何でもない紙です。

 

まっ、それはさておき(でも、本当は皆さんに知っておいて欲しい事実)、バーネックレスの話に戻します。

 

ベースが楮の木芯であることは先ほど申し上げました。和紙が出来上がるまでの工程を簡単に説明すると、楮の栽培→刈り取り→表皮の剥ぎ取り→剥ぎ取った黒皮の乾燥→黒皮を削ぐ=白皮のみにする→水洗い→煮熟→塵取り→叩解→攪拌→紙漉き→検品、という流れになります。

単純に説明すると、和紙は楮の皮の白い部分=白皮からできているということになります。そして、それ以外は使わず窯を焚く燃料になったり、畑の肥料になるのです。ゴミになる部分はありません。

この、楮の皮の白い部分=白皮(全体からすれば微量)を使うため、ものすごく手間暇が掛けられています。

しかし、その使わなかった楮の木芯に、僕は職人さんがものすんごい手間暇が掛けられて一生懸命漉かれた和紙を貼り付けました。

要は、さっきの工程の “表皮の剥ぎ取り” の段階へ戻したわけです。ドラえもんのタイム風呂敷じゃないけど、何十という工程を経たにも関わらず、ある段階まで戻してしまったわけです。

これを考え実際作った時、僕は正直「自分がした行為は意味があるのか?表皮の剥ぎ取りの段階できれいに剥ぎ取れたら同じものができたのか?」と思いました。実際は、表皮の剥ぎ取りの段階できれいに剥ぎ取るのは、無理がありすぎるので現実的ではないのですが、、。

 

それにしても、量産ではない一つ一つが手作りの私たちの和紙アクセサリーに対して、「自分がした行為は意味があるのか?」と思ったことは、衝撃というかショックに近い感覚でした。

 

何が言いたいかと言うと、モノや情報に溢れた社会で、本当に自分自身に必要なモノを見極めるのは、簡単ではありません。自分が生み出したモノも含めて、世の中にある、本当に人の心を豊かにしてくれるモノは一体どれくらいあるのだろう?

こんなにモノに溢れた世の中で、私たちの和紙アクセサリーを気に掛けてくださり、お買い求めくださることに、独立して7年ほどになりますが、今でも初めて売れた時と同じ、この上ない感謝の気持ちが溢れます。

自分が生み出したモノを買っていただくことって、奇跡だな~とつくづく実感するのです。だって、自分が消耗品以外のモノを買う時、真剣ですから。心がワクワクしないと欲しいスイッチ入らないですもんね。

ということで、世の中を見つめ直し、自分を見つめ直すため一旦立ち止まり、振り返り(自戒)、再び前進するためのいいきっかけに繋がったネックレスのお話でした。

今では、「自分がした行為は意味がある」と自信を持って言えます。なぜかと言うと、自分にとってもいいきっかけを得られたし、共感してお買い求めくださる方もいるからです。それが答えだと思っています。

物質が豊かな社会だけではなく、心が豊かな社会になってほしいなと思います。

追記

デザイン面のお話しをチラッと。
和紙玉とバーを金具で繋ぐのは簡単だけど、余計な金具が見えてしまうのがイヤだったので、楮の木芯の中を手でくり抜いてワイヤーを通しています。デザインの無駄を省くため、地味に手が込んでいます。金具もチタンを使用しているので金属アレルギーをお持ちの方にもおすすめですよ。

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