昔むかし、あるところにちょっと変わった和紙のクッションがあったとさ
遡ること3年前くらい。
とあるラジオ番組に30分ほど出演し、和紙アクセサリーや擬革紙のことを話しました。すると番組終了後に視聴者の方からLINEをいただきました。
その方は京都の老舗家具屋さんで椅子を作ったり修理をされている職人さんでした。
なんか変わってる人が変わってることしてて面白そうやなということでLINEをくださったのです(そんな理由でLINEしてくる方が変わってると返しましたけどね)。
そんなこんなで意気投合し、擬革紙でクッション作ったらどうなるんやろかとなり、試したのが画像のものです。
結果的に上手くいきませんでした。最後の最後で和紙をひっくり返す作業の時に漆が割れてしまうのです。個人的には気にならなかったのですが、相手はそれなりの老舗企業です。お偉いさんが首を縦に振らなければ却下です。
その後は、実験も兼ねて僕の愛用品となりました。今では経年変化を経て、とてもいい景色を醸し出しています。
前回のブログ「根来」になんとなく通じるような通じないような。
本革のソファも摩擦や人の使い方により革が剥がれたりひび割れたりしますよね。あれと同じことが擬革紙にも起こります。僕は意図的でない経年変化が好きです。使い手と一緒に歳を重ね馴染んでいくお気に入りのクッションになりました。
僕にとって、とてもいい経験になったことは間違いありません。色んなご縁に感謝です。
さて、擬革紙は素材としての提供もしております。手漉き和紙も漆も100%天然素材です。大事に素材を扱い、永く愛用できるモノづくりにご興味のある方はお気軽にご連絡ください。