ついに出来た、ガラスのように透明感のある和紙
こんにちは、中村裕也です。
今日は、新しく生まれた作品「和紙ガラス」について素直・正直・真っ直ぐに書きます。
和紙ガラス、、、ガラスではありません。ガラス繊維でもありません。和紙です、本物の。巷によくある、ガラスやアクリルなどに和紙を挟み込んだ、おもしろくも何ともない和紙風のガラスとは一線を画しています。
僕は、技術の凄さとかキレイさもいいけれど、それよりもおもしろいかおもしろくないか、心がゾクゾクわくわくするかしないか、だと思っています。
願わくば、自分の作品をご覧になった方に、「キレイね」の一言で終わられたくないと思っています。
だから、3歳児のように何を見てもキラキラして捉え、何でも楽しめる器を持てたらなぁ、と日々修行しています。
そんなことを偉そうに言いながら、中々作品を生み出せずにいる今日この頃です。
話を和紙ガラスに戻しましょう。
いつからか分かりませんが、ずーっと、ガラスのような透明感のある和紙ができたらおもしろいのになぁ、と思っていました。
発端は確か、和紙(だけではないけれど)って濡れると透けるのに、乾くとまた紙の色に戻る。。。なんでやろうって不思議に思ったことがきっかけです。紙そのものが透けるわけではないのに、濡れるだけで、なんで?なんで??なんで???と。
じゃあ、もし、濡れたままの状態を維持できたらずっと透けているのか?と思い、そこから試行錯誤の繰り返しです。あれも違うこれも違う、これはどうかと加工方法や和紙の種類の差も色んなことを試しました。
いっぱい汚れました。いっぱい汚しました。
で、ようやく自分で「できた、これや!」と言えるものが完成しました。
何ヶ月かかったのか分かりませんが、何とか理想の透明感が表現できました。見た目も手触りも100%天然素材の手漉き和紙です。
今のところ見る人の100%が、「写真で見るよりものすごく透ける」と驚かれます。
僕は、和紙そのものに加工することで透明感を出しています。
手漉きの和紙は1枚1枚単板ですが、7枚継いで5mほど作りました。継ぎ部分も自分で素人感丸出しで行いました。
本来、きれいに継ぐ表具の技法として、喰裂[喰裂(くいさき)…和紙を刃物で切らないで、水で湿したりして、喰い裂いたように引きちぎること。表具などでは、その喰い裂いた部分の繊維をていねいに重ね合わせて、厚さを他の部分と等しくし、継ぎ目が目立たないようにする。和紙の長い繊維を巧みに活用する表装技法のひとつである。by 和紙文化辞典]というものがありますが、優れた職人技ではなく、工業製品のような均一的なきれいさでもなく、作りたい一心の人の手のみが生み出す人間感溢れる未完成の美しさを目指しました。
すべて手作業で制作しているのですが、ざっくりとした継ぎ目であったり作業中に入るシワなど、味わいのひとつとして捉えています。
完璧ではない個性があるからこそ、なんとも言えない表情が生まれます。その根底に、手漉き和紙のやさしさがあるような気がしています。
独特の透明感と質感。和紙特有の光の透け具合。
もちろん紙としても使え、尚且つ水拭きもできます。
ここから先はいろんな人のアイデア次第。ドーーーンと飾るもよし、小さく使うもよし。
さて、僕はどうしようかな。。。と思う今現在です。
ご興味のある方は、CONTACTよりお気軽にご連絡ください。